労働者の退職や解雇は

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労働者の退職や解雇は

<退職>

契約期間の定めがある社員は、その期間が終われば、無条件で退職できますが、契約期間のない社員が退職する場合には、通常退職予定日より前に、会社に「退職する旨」を通告しなければなりません。

原則として、即日退職はできません。

退職規定は、就業規則に定められています。

通常、退職申し入れをしてから2週間から1ヶ月と就業規則では規定されています。

就業規則がない場合には、退職した日の14日前に申し入れをすることになります。

また、就業規則に60歳を下回る定年規定を設けることは、認められていません。

退職する場合のボーナスについては、「支給日に在籍している社員に支給する」と規定されています。

違法であるような退職勧奨の場合には、無効または取消を主張できる場合があります。

また、精神的・財産的被害を受けた場合には、不法行為に基づく損害賠償を請求できます。

退職金について、法的には退職金は義務付けられていません。

労働協約や就業規則に退職規定を設けています。

また、就業規則に規定されていなくとも、過去に支払っている先例があればよく、慣習によって請求できる場合があります。

また、社員一人一人を対象に、掛け金を積み立てていく中小企業退職金共済制度もあります。

<解雇>

解雇とは、会社が一方的に社員との雇用契約を解除することです。

解雇には、

◇普通解雇

◇整理解雇

経営不振による合理化など経営上の理由に伴う人員整理をいい、リストラともいいます。

◇懲戒解雇

業務命令違反など企業の秩序に違反した社員に対する懲戒処分をいいます。

が、あります。

会社は、

◇30日前までに解雇を予告した場合

◇社員側の責任による懲戒解雇の場合

◇やむを得ない事情があって解雇する場合

を、除きむやみに解雇できないことになっています。

また、これらに該当する場合でも、次のような場合には、まず解雇は認められません。

◇合理的な理由のない解雇

◇差別待遇による解雇

◇産休期間及び産後に働き出してから30日以内の解雇

◇労災による怪我や病気を治すための休職期間および働き出してから30日以内の解雇

◇育児休業や介護休業の期間中の解雇

◇労働組合との協議協約を無視した解雇や不当労働行為による解雇

<リストラ>

会社がリストラによる解雇が出来るのは、次の4条件をすべて満たした場合です。

◇人員整理の必要性があること

リストラで人件費を削減しないと会社が倒産してしまうなど、会社の存続には、人員整理をするしか方法がないという状況が必要です。

◇人員削減の回避努力義務を尽くしたこと

まず配転など社員の犠牲の少ない方法を取ったり、指名解雇を行なう前に希望退職者を募るなどの措置を取らなければなりません。

◇整理解雇の基準・選定に合理性があること

女性や高齢者、あるいは特定の思想を持つ社員などを狙い打ちにした解雇は問題外です。

◇整理解雇の手続に合理性があること

リストラは急激な景気変動や経営者の見通しの甘さなど社員には直接責任のない事情により行なわれる場合が多いので、合理性の判断も厳格です。

リストラによる整理解雇が争われた場合、裁判所の傾向としては、4条件が全部揃っている場合に限り、会社側の解雇に正当事由があるとして、解雇の有効性を認めているようです。



<懲戒解雇>

懲戒処分には、譴責「けんせき」(始末書を出し注意を受ける、戒告ともいいます)、減給、停職、論旨免職、懲戒解雇などがあります。

懲戒解雇は、社員を懲らしめる目的で会社から追放するものであって、解雇予告も予告手当ても必要ありません。

また、即時解雇もできます。

しかし、懲戒解雇の場合には、社員に一切弁明の機会を与えず、いきなり懲戒解雇することはできません。

懲戒解雇事由としては、職場や会社の秩序を乱す行為、服務規定違反を繰り返しいる場合、会社の名誉を著しく汚し信用を失墜させる行為をした場合などがあります。

<解雇予告>

会社の都合により社員を解雇する場合には、少なくとも30日前までに解雇することを社員に予告しなければなりません。

しかし、例外として、会社が30日分の平均賃金を支払えば、予告なしに社員を解雇することも認めています。

なお、この予告手当ては、30日分より少なくてもよく、その場合には、支払った日数分だけ予告期間を短縮できます。

会社が予告手当てや解雇予告を免れるのは、天変事変などのやむを得ない事情で事業の継続が不可能になった場合や、社員に責任がある事情で解雇する場合で、行政官庁の許可があるときと、季節労働者など一定の労働者を解雇する時だけです。

故意・過失にしろ、予告手当てを怠った会社と経営者は、6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。

また、予告手当ての平均賃金とは、過去3ヶ月間に会社からその社員に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(労働日数ではない)で割った金額をいいます。

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