交通事故の示談交渉とは

交通事故の示談交渉とは

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交通事故の示談交渉とは

<示談交渉の時期>

示談交渉をする時期については、損害賠償請求権に時効がある関係上、なるべく早くする必要があります。

死亡事故の場合は、初七日を終えてから交渉準備にかかり、四十九日明けに交渉開始が標準的です。

傷害事故は症状の経過を見ながらとなります。

入・通院がいつ頃まで必要なのか、完治の見込みはあるのか、後遺症があるなら症状固定はいつか、人の介護を必要とするかどうかなどが賠償算定に関係してきます。

症状固定日や退院日などが見えてきた時点で交渉準備に入るのよいです。

示談交渉を長引かせるのは、消極損害や慰謝料の算定になってきますので、比較的認められやすい積極損害については月ごとに部分清算してもらうよう加害者に話すことも考えられます。

<示談交渉の証明書類>

示談交渉を有利に進める為には、証明書類を用意する必要があります。

◇事故を証明するもの

交通事故証明書、事故発生直後に収集した事故状況を証明する資料類などです。

◇身体の症状を証明するもの

医師が発行する診断書、また後遺症がある場合は後遺症診断書、死亡した場合は死体検案書が必要です。

◇損害賠償を証明するもの

治療内容や治療費や入院費が詳細に書かれている診療報酬明細書(診断書とは別に発行してもらいます)、事故に伴う通院費や葬儀関係費などの領収書、さらに被害者の収入を証明する給与明細書や源泉徴収票、場合によっては納税証明書、確定申告書の写しなどです。

また、会社を休んだりした場合は休業損害証明書、破損があった場合は修理見積書なども必要です。

◇身分を証明するもの

戸籍謄本、死亡の場合は除籍謄本なども必要になります。

<示談の催告>

交通事故を起こした加害者の中には、示談交渉に応じない人がいます。

このような場合には、損害賠償の算出後、配達証明付の内容証明郵便で催告をする必要があります。

その文面には、損害賠償額と相当期間を定めて、その期間内に返答がない場合は、法的手段に訴える旨を書いておきます。

内容証明郵便とは、出した日と内容と差出人と受取人を郵便局が証明してくれるもので、後日の証拠になります。

配達証明つきにしておくと、いつ相手に配達されたか郵便局から通知がきます。

それでも加害者から返答がない場合は交通事故紛争処理機関に相談し、訴訟を提起することになります。

<示談の代理人>

示談交渉を行う場合、加害者本人ではなく、代理人が行なうことがあります。

特に損害保険会社の担当者が示談交渉の代理人になることが多いです。

ここで注意するのは、損害保険会社の担当者、弁護士、親族のように加害者との関係が明確な代理人の場合は問題ありませんが、交通事故に介入して示談金の引き上げを請け負ったり、示談金を持ち逃げする「示談屋」には、気を付けるべきです。

代理人には、委任状の提示を求め、署名・捺印があることを確認します。

また、損害保険会社の担当者や親族の場合には委任状を持っていない場合もありますので、その際には会社や加害者本人に連絡して確認を取る必要があります。

代理人交渉に応じるかは被害者の自由です。

代理人の態度が高圧的であったり、「示談屋」であるとわかった場合には断ることも可能です。

<保険会社との示談交渉>

損害保険会社の示談代行担当者は、示談のプロといえます。

被害者は示談に臨むときの心構えとしては、

◇保険会社を恐れないこと

◇冷静に交渉すること

◇事前の準備をしっかりとすること

◇保険会社の言いなりにならないこと

などがあります。

保険会社は営利企業ですから、できるだけ低い賠償額で解決を試みます。

示談書にサインをしない限り交渉は何度でもできますし、保険会社は一度提示した賠償額を絶対に変えないというわけではありません。

自分の計算と大きくかけ離れるようでしたら、日弁連交通事故相談センター、市役所、区役所等の相談を受け、比べてみるのも一つの方法です。



<示談のタイミング>

示談交渉の場では、被害者は損害賠償額をより高く、加害者はより低く抑えようとします。

交渉ですから、一概に言い切れるものではありませんが、加害者側から2回以上提示額を引き上げることができ、その額が被害者側から見て正当と思われる賠償金額の8から9割以上である時が一つのタイミングといわれています。

また、示談の成立が刑事上の責任に影響するため、加害者側から早期に解決を望まれることがあります。

これは加害者の都合による一方的な要求に過ぎませんので、気にせず、交渉を続けても良いのですが、このような加害者があせっているときは示談を有利にまとめるチャンスかもしれません。

<示談のやり直し>

交通事故の示談とは、民事上の責任に関することで、これは損害賠償の問題を被害者・加害者の話し合いで解決することです。

要するに示談は法律的に民法上の和解契約にあたります。

そのため、示談成立後は予見できなかった後遺症が発生した場合を除き、いくら新たな事実がわかったとしても示談のやり直し、取り消しはできません。

つまり、示談成立後は損害賠償額を変更できないのです。

そのため、慎重に交渉する必要があるのです。

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