交通事故を起こした場合
<加害者の責任>
交通事故の加害者には、民事上、刑事上、行政上の責任が発生します。
◇民事上の責任
民法および自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づいた被害者への損害賠償責任になります。
自動車損害賠償保障法とは、交通事故による人身事故の被害者の保護を図ることを目的に設けられています。
人身事故の場合には、この自動車損害賠償保障法に基づき損害賠償請求が行なわれます。
◇刑事上の責任
交通事故によって、人を死傷させた場合には、刑法上の業務上過失致死傷罪にあたります。
無免許運転・飲酒運転なども道路交通法違反として刑事上の責任を負います。
◇行政上の責任
道路交通法に違反している場合には、違反点数が課せられており、違反点数が一定以上になると、公安委員会から免許停止や免許取消処分を受けます。
<事故状況の確認>
交通事故の被害者となった場合には、加害者の素性、事故の状況などの確認を行なう必要があります。
後の示談交渉のためにも、できるだけ行なう必要があります。
交通事故において、損害賠償義務を負うのは加害車輌の運転手だけではなく、加害車輌の運転者の雇主や加害車輌の所有者などにも損害賠償義務が発生します。
加害車輌の運転者の氏名・住所、加害車輌のナンバー、車体に書かれている会社名、車輌所有者の氏名・住所も確認する必要があります。
運転者と所有者が違うことがわかった場合には、運転者と所有者の関係や運行目的などの確認も必要です。
また、目撃者や相手方の供述を聞き、書き留めておき、目撃者には氏名・住所・連絡先などを聞いて、後日証人になってもらうようお願いしておくことも必要です。
<事故現場での確認>
事故現場では、できるかぎり加害者の素性を確認し、事故状況を記録し、後の示談交渉に備える必要があります。
◇加害者の素性
●運転者の氏名・住所
免許証の確認をする必要があります。
念のために本籍も控えておきます。
●運転者の連絡先・勤務先
名刺などをもらっておく。
●車輌所有者の氏名・住所
車に備え付けている自動車検査証を確認する必要があります。
●保険会社
車に備え付けている自動車損害賠償責任保険証書を確認する必要があります。
◇事故状況
●衝突地点
●衝突箇所や程度
●被害者の転倒地点
●関係車輌の停車位置
●破片や積荷の散乱状況
●車輌の破損状態
等を確認することが大切です。
<事故現場での注意>
事故直後では、事実関係についてのみの話をする必要があります。
ここで、お金の話をしてしまうと、その後の示談交渉で「言った、言わない」の水掛け論になる可能性が出てきます。
ですので、事故現場での当事者同士の主観的な判断、つまり、その場での損害賠償についての具体的な話はしないことです。
特にお金の話は、口に出してはいけません。
また、金額や自分に過失があった旨の念書を取り交わすことなどは絶対に行なってはいけません。
後にこの念書は証拠になってしまいます。
事故現場では、あくまで事実関係のみを話をすることが必要です。
<事故直後の義務>
事故を起こした場合には、当事者に緊急処置と警察への事故報告の義務が発生します。
これらを怠ると処置義務違反、道路交通法違反になる場合があります。
◇緊急処置
●運転の停止および状況の確認
何かに衝突したと感じたら運転を停止して、事故の内容や程度、状況を確かめ、人や物に対する被害を確認する必要があります。
●負傷者の救護
人身事故の場合には、負傷者を病院に連れて行ったり、救急車を呼ぶなどの救護活動を行なわなければなりません。
●道路における危険防止処置
二次的な事故を防止する為に、後続車に事故発生を知らせたり、誘導するなど危険防止処置をしなければなりません。
◇警察への事故報告
緊急処置を済ませたら、車輌の運転者は日時・場所・負傷者の人数と程度・破損したもの・その後の処置などを警察に届けなければなりません。
裁判所の判決書なども債務名義です。
A強い証明力を持つ証拠としての価値があります。
公証人が法律に基づいて、当事者の説明を聞き、作成した文書であり、民事裁判においてはきわめて高い証拠価値が認められています。
要するに、どんな契約であっても公正証書にしておけば後日契約締結の事実を確実に証明でき、トラブルを予防できるのです。
B債務者に対して心理的圧力をかけられます。
以上のように強制執行されたり、裁判になっても有力な証拠になるので、その心理的なプレッシャーによってトラブルが防げるかもしれません。
C紛失しても原本が公証役場にあります。
*、尚、法令に違反した事項、無効の法律行為、行為能力の制限によって取り消すことができる法律行為等があるときは公証人は公正証書を作ってくれません。
強制執行とは、国が強制的に債務者の財産を処分し、其の代価によって弁済するものです。
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