物損事故とは
<物損事故とは>
物損事故とは、物に損傷をもたらした事故をいいます。
損害には修理費、復旧費、全損による買い替え費、代車使用料などの積極損害と、休車・休業による減収などの消極損害があります。
慰謝料が認められることはほぼありません。
物損事故では、自賠責法が適用されません。
賠償は加害者加入の任意保険か加害者個人の資力からなされることになりますので、加害者が故意や過失を認めることが前提条件となります。
ささいな物損事故と思っても警察や保険会社に連絡することは必要です。
<車輌修理費>
車輌の修理費の算定と請求については、破損の度合いによって次のようになります。
◇全損(買換え相当)
修理不能もしくは修理費が時価額を上回る場合は全損扱いとなります。
賠償額は事故直前の交換価格をもとに算定します。
新車買換えの場合は、被害車輌の価格+新車購入諸費用(自動車取得税、重量税、車庫証明費用、車検登録費用など)の請求が認められます。
◇一部損(修理相当)
修理費用と、場合によっては評価損分を請求できます。
被害者が買換えを望む場合は修理費用相当額か事故時の価格から売却価格を差し引いた額、いずれか低い方が認められます。
評価損とは、修理しても機能・外観の劣化が避けられない場合はもちろんのこと、事故暦による商品価値の下落のことをいいます。
<代車使用料と休業損害>
修理中あるいは買換えの期間に代車車輌を使った場合、その実費を加害者に請求することができます。
また、代車をもたずにタクシーを利用した場合の運賃も認められます。
ただし、現実の欠車期間以外に発生した費用は認められず、また被疑者が複数車輌を保有している場合は請求自体が認められません。
被害車輌がタクシーやトラックなどの営業車だった場合には、休業損害が生じます。
事故車のレッカー費用や保管料、廃車料、時価査定料、通信費、事故証明手数料、代車修理費など、事故車に関して被害者が負担した実費も賠償対象となります。
<建物などの損害>
車以外の損害には、ぶつかって壊れた建物や外壁などがあります。
これらの損害は、修理が可能であるならその費用を、不可能ならその品物の時価相当額を加害者に請求します。
修理代が時価を上回る場合は全損扱いになります。
◇店舗や事務所の破損
修理費、片付け費、休業損害、機器や備品の購入費などを請求できます。
ただし、休業損害請求には店の損壊による利益低下を具体的に立証することが必要です。
また営業再開時の広告宣伝費も休業損害として認められます。
◇住宅の破損
修理費・片付け費・慰謝料などを請求できます。
ちなみにガードレール等の損壊は道路公団に賠償しなければなりませんが、他車の事故の巻き添えで押し出された自車が破壊した場合は、公団に払った修理費用を事故車のドライバーに請求できます。
<積荷などの損害>
交通事故で積荷などの商品に損害があった場合には次のようになります。
◇積荷
タンクローリーやトラック事故では、タンクや車両の修理費、商品の時価額を請求できます。
また、こぼれた液体などの清掃・廃棄処理費、積荷積み替え費や応援車料費、代替品運搬費などの実費も請求することができます。
しかし、商品の売却益は立証することができませんので、商品の再調達にかかった費用を請求するのが一般的です。
◇農作物
原状に戻すことは不可能ですので予想収穫量を金銭に換算する方法をとります。
ただし、穫り入れの時期までにかかる費用(人件費・肥料代など)を控除した賠償額となります。
商品とはいえませんが植栽の破損も損害として認められます。
公共の樹木をなぎ倒した場合、加害者は自治体などにその代金を弁償します。
<趣味的なものの損害>
趣味的なものの損害については、次のようになります。
◇高級衣類・装身具
クリーニングや修理補修で原状に戻ればその費用を、戻らない時は価値の下落分を請求します。
おろしたてであっても、全損扱いにはならないのです。
◇ペット
けがの場合は治療費や通院交通費を請求できます。
死亡の場合はペットショップでの購入価格をめやすに損害額を算定します。
◇高級車
一般的な車両の代金の弁償というのが一般的です。
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