親権者の変更はできるのか?

親権者の変更はできるのか?

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親権者の変更はできるのか?

【親権者等の変更】

<相談内容>

離婚の際に、子供の親権は妻がとり、子供を引き取りました。

今現在、母と暮らしていますので、子供の面倒を見る人がいます。

子供を引き取ることはできるのでしょうか?

<返答>

親権者を変更する場合には、戸籍の変更をともなうため、家庭裁判所の親権者変更の調停または親権者変更の審判を経ることになります。

また、監護者の変更する場合には、戸籍の記載はありませんので、元妻との話し合いで監護者を変更することができます。

話し合いがつかない場合は、家庭裁判所に子供の監護権変更の調停または監護者変更の審判を申し立てることになります。

これは、あくまで手続の話で、子供を引き取れるかどうかは、子供のことを考えて元妻あるいは子供も含めて話し合うことが必要です。

話し合いがまとまらない場合に、裁判所に判断をゆだねるのであれば、現在妻のもとで子供が安定した精神状態で生活を送っているかどうかが争点になります。

【親権者等の変更の判断基準】

<相談内容>

親権者の変更を裁判所に申し立てたいのですが、その判断基準はどのようなものですか?

<返答>

親権や監護権とは、子供の権利実現のための親の権利になります。

裁判所が親権者・監護者の変更を検討する際にも、子供の権利実現のためにどちらがふさわしいかという観点から考えます。

また、いったん形成された生活環境を全面的に変更することは、子供にとって大変な精神的負担になるため、できる限り現状を尊重し、明らかに現状維持ではいけない場合に、変更が認められるのです。

安定した精神状態で生活を送っているのであれば、親権者や監護者が変更される可能性は低いと考えられます。

【面接交渉の拒絶】

<相談内容>

妻が子供を引き取り、月に一回子供に会うことに合意をして離婚しました。
しかし、いろんな理由をつけて子供に会わせてくれません。

どうすれば子供と会うことができますか?

<返答>

まずは、元妻に子供と会わせるよう話し合うことが必要です。

元妻が、単独で子供に会うことに抵抗するのであれば、第三者立会いの元で面接交渉することを提案する方法もあります。

元妻がそれでも子供を会わせようとしない場合には、元妻の住所地の家庭裁判所に子供の面接交渉を求める調停を申し立てる方法もあります。

また、離婚調停で面接交渉について約している場合には、調停証書に記載されていますから、離婚調停をした家庭裁判所に「履行勧告」の申立をすることができます。



【子供が連れ去られた】

<相談内容>

子供を引き取り離婚したのですが、面接交渉の際に夫がそのまま勝手に子供を連れて帰ってしまいました。

子供を取り戻したいのですがどうすればよいですか?

<返答>

連れ去られた子供の引渡しを求める方法には、家庭裁判所に申し立てる方法と地方裁判所に申し立てる方法があります。

家庭裁判所に申し立てる方法として、「子供の看護に関する処分」として、子供の引渡しを相手に請求する調停を家庭裁判所に申し立てます。

これは、調停委員をまじえての話し合いになります。

離婚が成立していない場合には、離婚訴訟を提起するとともに子供の引渡しの請求をする方法もあります。

離婚訴訟を提起した場合は、判決が確定するまでの間であれば、その離婚訴訟が審理されている家庭裁判所に対して、子供の引渡し請求の申立をすることができます。

緊急性がある場合には、家庭裁判所に調停を申し立てた後、調停が成立するまでの間に、調停前の仮の処分申立をして、子供の引渡しを求めるという方法もあります。

また、審判を待たないほど、緊急性がある場合には、家庭裁判所に審判を申し立てたのと同時に、または申し立てた後に、保全処分の申立をして、子どもの引渡しを求める方法があります。

緊急性がある場合とは、連れ去った側に悪い監護環境があり、早急に子供を取り戻さなければ、発達遅滞や情緒不安により子供に悪影響が生じる場合をいいます。

地方裁判所に申し立てる方法として、人身保護請求があります。

人身保護請求の申立があると、原則として請求のあった日から1週間以内に審問期日が開かれます。

拘束者に対して、被拘束者(子供)を指定の日時・場所に出頭させるよう命じることができ、拘束者がこれに従わない場合は拘束者を勾引し、また命令に従うまで勾留することができます。

勾引とは、強制的に一定の場所に引っ張って来ることをいい、勾留とは、強制的に一定の場所に留め置くことをいいます。

人身保護請求が認められる為の条件は、

◇拘束がその権限なしにされまたは法令の定める方式もしくは手続に著しく違反していることが顕著である場合

◇他の救済方法では目的を達することができない場合とされています。

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