マンション管理費の滞納
【マンション管理費の滞納】
<相談内容>
マンションの管理費の滞納者がいるのですが、管理者としてどのようにすればよいのですか?
<返答>
区分所有法では、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理または使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならないと規定しています。
そして、一定の要件のもとに専有部分の使用禁止を求める訴えを提起できるとしています。
「区分所有者の共同の利益に反する行為」とは、これを単に物理的な保全義務に限定するものとは必ずしも解されないから、管理費等の滞納の場合にあっても、その程度が著しい場合には、その建物の保存に支障を来たし、管理または使用に障害が生じるのは容易に想定できます。
そのため、管理費の滞納も、専有部分の使用禁止を求める訴えを提起できると考えられます。
【不動産権利証の盗難】
<相談内容>
不動産の登記済権利証が盗まれました。
どうすればよいですか?
<返答>
盗まれた場合に、盗んだ相手に表見代理が成立しない限り、登記がなされても、その取引は無効になります。
ただ、登記された以上、その無効を証明するのは、訴訟上になってしまいます。
それでは手間がかかるので、権利証が盗まれた時の予防策として、新不動産登記法での不正登記防止申出手続があります。
この申出をするには、申出をした者が申請人となるべき本人であり、次のような措置をとっていることが必要です。
◇印鑑、印鑑カードまたは登録済証の盗難にあい警察に被害届を出していること
◇偽造した印鑑証明書が出回っているとか、自己の不動産が売りに出されているとの情報がある場合で、告発または捜査機関に対する相談を行なっていること
◇本人の知らない間に住所移転の届出がなされ、住民票または印鑑証明書が発行されている場合で、市町村長による当該証明書の無効の告示の手続がなされていること
この申出がある場合には、その申出書が不正登記防止申出書類綴り込み帳につづられ、それに該当する不動産登記の申請がなされた場合には、登記官は不動産登記法に基づく調査権を行使することが義務付けられています。
【登記の時期】
<相談内容>
建売住宅を購入し、売買代金の3割を支払ったのですが、業者は建物の所有権移転登記をしてくれません。
どうしてでしょうか?
<返答>
建物を売るものからすれば、建物を買主の名義に登記すると共に、建物を買主に引き渡さなければなりませんが、特別の約束がない限りは、代金の支払いとこれらの義務は引換えの関係に立ち、法律上は、これを「同時履行の抗弁権」といいます。
このケースでは、売買代金を3割支払ったということですが、特別の約束がないかぎり、買主としては売買代金金額を支払うまでは、建物の登記も引渡しも受けられません。
しかし、売買代金の3割を支払った段階で登記をするという約束があってのであれば、売主たる業者は買主の登記請求の有無に関係なく、建物の所有権移転登記をしなければなりません。
ただし、ローンを利用して、長期の分割払いによって不動産を購入する契約の場合、いつまでも所有権移転が得られないのは、購入者にとってきわめて不利なので、頭金にせよ、分割金にせよ、代金の30%を超える金額を受領した時には、かならず所有権を移転し、その登記申請をしなければなりません。
無料法律相談はこちら
Amazonで不動産の法律を調べる
|
|