家賃の増額請求による供託
【家賃の増額請求による供託】
<相談内容>
家主が家賃の値上を要求してきています。
家賃の値上に対抗するため、供託する家賃はいくらぐらいがよいのですか?
<返答>
家賃の増額請求は、家主の一方的な意思表示によって増額の効果が発生すると考えられています。
そのために家賃の値上の通知が借家人に届いた時に値上になったことになり、借家人は、値上された金額を家賃として支払わなければならないことになります。
ただし、その値上の幅は適正でなければならず、家主と借家人の意見が一致しなければ、家主は裁判所に訴えて、自分の値上請求額が正しいという判決をもらう必要があります。
その間の家賃について、借地借家法では、家主からの家賃増額請求に対しては、借家人は相当と思う家賃を支払っていればよいことになっています。
しかし、家主は請求額よりも低い金額を持ってこられても受け取らないかもしれません。
その場合には、相当額を供託することになります。
弁済供託する供託所は、債務の履行地にある法務局・地方法務局およびその支局・出張所で、家賃を持参して払っていれば家主の住所地が基準になります。
供託してあっても家主の請求する金額が適正であるという裁判が確定した時は、借家人は供託額との差額について、その支払い期から年1割の割合による利息を余計に払わなければなりません。
【訴え提起前の和解とは】
<相談内容>
訴え提起前の和解とは何ですか?
また、それによって借家契約の更新ができるのですか?
<返答>
和解というのは、当事者間の紛争について、お互いが譲歩しあって、その紛争を解決する契約の一種をいいます。
訴え提起前の和解は、即決和解ともいわれており、訴訟係属を前提としません。
申立人が簡易裁判所に対し、争いのある事柄につき、請求の趣旨および原因と争いの実情を記載して、和解の申立をすれば、裁判所は相手方を呼び出して、当事者間に合意があれば和解を成立させ、和解調書が作成される制度をいいます。
この和解調書は、訴訟の場合の判決と同じような効力を持ちます。
この訴え提起前の和解をしておく利点は、借家契約の場合に、家主が明け渡しを請求しようとすれば、期間が満了する6ヶ月前に解約の通知をし、借家人がこれに応じなければ訴訟を起こし、家主の側に「正当事由」のあることを立証しなければならないのに比べて手続が簡便であることです。
【借家の購入】
<相談内容>
賃貸借契約で家を借りていたのですが、大家の申し出で、その借家を買うことになりました。
借家を買う場合に気をつけることはありますか?
<返答>
借家法では、家屋の賃借権を保護していますが、建物の売買になってしまえば、民法の原則を受けることになります。
合意の上で賃貸借契約を解除し、その上「売買代金残額の支払を一回分たりとも怠れば売買契約を直ちに解除すること」という条項を認めていれば、わずか一回の未払いでも売買契約を解除されることになります。
このような場合には、月賦額を支払い可能な低額とし、3回ぐらいの不払いでも解除されないような契約内容を決めて、また、その家屋に所有権移転請求権保全の仮登記をする必要があります。
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