農地の分家申請とは
【農地の分家申請とは】
<相談内容>
市街化調整区域の農地に、今度結婚する息子のために家を建ててやろうと思っているのですが、可能でしょうか?
<返答>
市街化調整区域とは、市街化区域と区別され、市街化を抑制する区域をいいます。
無秩序な市街化を防止して、計画的な市街化を図るために区分されたものです。
市街化調整区域内の農地に家を建てることは、開発行為といわれ、あらかじめ知事の許可を受けなければならないとされています。
これを開発行為の規制といっています。
息子に家を建てさせる目的で、農地を転用する為の手続を「分家申請」といいます。
この申請では、分家申請できるのは次男三男で、長男は認められないといわれています。
また、一部の土地が市街化区域内にあるときは、そちらに建物を建てることができるので、分家申請は認められないし、また分家する子供が独身の場合も認められないといわれています。
ただ、建物建築後、建物を改築する時は、開発行為を伴わなくても知事の許可を得なければならないので、建物建築後、第三者に売却したような場合には、その第三者が改築しようと思っても、知事の許可を得ることができず、改築ができなくなります。
あくまでも分家申請した当事者でなければ、知事の許可を得ることはできないからです。
【農地の使用】
<相談内容>
所有している市街化調整区域の休耕地を資材置き場として、建築業者に貸したのですが、農業委員会から原状回復するよういわれました。
建築業者と契約解除できるでしょうか?
<返答>
休耕地であっても、いずれは耕作する予定の土地ですから、農地にあたるとされています。
休耕地を賃貸する為には、農業委員会もしくは都道府県知事の許可が必要になります。
資材置き場は雑種地扱いになるため、いずれにしても農地以外のものですので、農地法5条の許可が必要になります。
農地法の指定を得ないで賃貸借契約を締結した場合の契約の効力ですが、許可を得るまでは効力を生じないとされています。
現実には賃貸借契約の外形があっても、法律上は賃貸借契約は発生していないので、建築業者には当該休耕地を占有使用する権原がないことになります。
許可を得ていないことだけを理由に、貸主から一方的に賃貸借契約を解除することはできませんが、まだ契約の効力が発生していないのですから、これを理由に明け渡しの請求をすることは可能だと思われます。
ただし、自分で許可を得ないでおきながら、それを理由に明渡しを求めることになるので、権利濫用と認められる可能性もあります。
【土地収用法とは】
<相談内容>
新しく住んでいる地域に新道路ができるというのですが、収用される際の土地収用法とはどんなものですか?
<返答>
土地収用法という法律があり、その3条に定める公共事業の事業者は、事業に必要な土地等を収用することができるとされています。
収用は、強制的に権利を取得する方法ですから、その手続は厳格に規定されています。
しかし、実際には、収用の大部分は任意の交渉によって行なわれるの普通です。
しかし、任意の交渉によって買収ができない場合に、土地収用ということになります。
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