賭博で負けたお金は払わなければならない?
【賭博の金銭支払】
<相談内容>
友達との賭け麻雀で、大勝をしましたが、友達は支払ってくれません。
法的に賭け麻雀での勝ち金を請求できるのですか?
<返答>
民法では、「公の秩序または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」として、公序良俗に反する法律行為の効力を認めていません。
賭け麻雀を含む一切の賭博行為(公に認められているものは除く)は、社会の秩序や道徳に反する行為であり、これによる勝ち負けについて金銭を支払うという約束は法律では認められていません。
ちなみに賭博罪は、50万円以下の罰金または科料とされています。
また、金銭のやりとりの原因となった賭け麻雀自体が無効であるので、当然支払った金銭は返還を請求できそうですが、一般の無効な法律行為と異なり、このような行為について支払った金銭は返還請求が認められないとされています。
【独身だと思っていた不倫の慰謝料請求】
<相談内容>
独身だと思っていた職場の上司と深い関係になりましたが、その上司には奥さんがいて、その関係に気づいた奥さんに慰謝料を請求されています。
支払う必要はありますか?
<返答>
夫婦のどちらか一方が第三者と肉体関係を持った場合、他方は円満な夫婦生活を送るという権利を侵害されたということで、精神的苦痛による損害賠償(慰謝料)を請求できます。
肉体関係をもった第三者に対しても、不法行為に加担したとして、慰謝料を請求される可能性があります。
しかし、その肉体関係をもった第三者が負う慰謝料支払いの義務は不法行為に基づくものでありますが、「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」として不法行為の成立要件に故意または過失があることを規定しています。
故意も過失もないのであれば、結果的に他人の権利を侵害したとしても不法行為に基づく責任を負う必要はありません。
この場合、独身だと信じて、肉体関係を持ったわけですから、権利侵害にはあたらないと考えられ、少なくとも故意は認められません。
また、次のような場合には、配偶者がいることを知っていながら肉体関係を持ったとしても、もう一方の配偶者に対して責任を負うものではないとされています。
◇暴行、脅迫などにより、関係をもたざるを得なくなった場合
◇既に夫婦の婚姻関係が破綻していた場合
【婚約中の性的暴行】
<相談内容>
婚約者の彼に無理やり性的暴行を受けました。
婚約者の性的暴行に対して慰謝料を請求できますか?
<返答>
夫婦や婚約者同士であり、深い仲になっているといっても、超えてはいけない一線があります。
配偶者には相手方に性交渉を要求する権利はあるものの、正当な理由のない性交渉拒否が離婚理由となるに過ぎないだけであって、無理に性交渉を強要する権利などは認められていません。
これを無理強いすると、民事上の不法行為責任が発生するのはもちろん、刑事上の「強姦」罪にも該当してしまいます。
この不法行為は、これまでに性交渉を許していたことがあったかどうかは関係ありません。
この不法行為による損害賠償請求(慰謝料)ができます。
当然婚約も破棄出来ます。
【内縁と同棲】
<相談内容>
同棲相手と一方的に別れた場合に、慰謝料は払わなければならないのですか?
同棲していただけであるのに、内縁関係になるのですか?
<返答>
内縁とは、婚姻届を出していないだけで、事実上の夫婦という位置づけであり、ただ単に同棲しているというだけでなく、男女がともに結婚関係にあるのと同じ効果をもつ意思が必要です。
そのため、法律では正式な結婚と同様の保護を与えることとされており、公的年金や福祉手当等の受給権、財産分与等についても入籍している夫婦と同様の権利が認められています。
内縁関係にあると認められた場合には、お互いに同居義務、扶助義務、貞操義務などが発生するので、いずれか一方が正当な理由なく一方的に内縁関係を破棄した場合には、もう一方は慰謝料の請求をすることができます。
お互いに同棲していただけ、もしくは一方が勝手に勘違いしていたような場合には、内縁関係にあったとは認められません。
ですので、一方的に別れたからといって、慰謝料を支払う必要はありません。
しかし、内縁関係にあるものと信じるに足りる言動を一方がしていてそれを他方が信じていたような場合に、一方がそのつもりでなかったとしても内縁状態にあったとみなされる場合があります。
【認知について】
<相談内容>
自分の子供ではないかもしれない場合であっても認知をしなければならないのですか?
<返答>
結論から言うと、納得できないのであれば、否認するべきだと思います。
婚姻中に妻が産んだ子は夫の子であると推定されます。
反する証拠がない限り、父子関係は確定します。
婚姻外で生まれた子供については、「その父または母がこれを認知することができる」として、父の認知があってはじめて父子関係が確定することになります。
婚姻関係にない男女であれば、婚約したり内縁関係にあったとしても、認知という手続によって父を確定する必要があります。
結婚前に子が生まれた場合でも男女が認知して結婚すれば、その子は嫡出子となります。
母の場合には、「分娩」という事実があるために認知の問題は発生しません。
父とされる男が認知を拒否した場合には、その子ら(もしくは法定代理人:母等)は、あきらめるかまたは認知を求めて裁判所で争うことになります。
認知の請求が出来るのは、子、その直系卑属、これらの者の法定代理人であり、父または母が死亡して3年経過するまで請求できます。
家庭裁判所に調停を申し立て、調停の場で認知の合意を求めます。
合意のない場合は、訴訟になります。
裁判所では、血液型やDNA鑑定などの調査を行い、父であるかの判断がなされます。
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