土地を誰かに単独に相続させる方法とは
【土地を単独で相続させる方法】
<相談内容>
農業を経営しているので、長男に継いでもらう為に、土地を長男に単独で相続させたいのですが、どうすればよいでしょうか?
<返答>
一つには、共同相続人の全員が協議して、長男だけに土地を相続させる方法があります。
全員がそれでよいとなれば相続人各自の分割割合は、法定相続分でなくてもよいとされています。
この場合には、協議して決めた内容を遺産分割協議書に書き、共同相続人全員が署名押印して、登記を申請しなければなりません。
二つ目は、遺言を残して、長男に土地を相続させる旨を決めておく方法です。
しかし、この方法をとった場合でも、他の共同相続人たちから遺留分減殺請求権を行使されることがあります。
遺留分とは、最小限度これだけは、その相続人に残さなければならない割合であって、相続が始まり、これを主張されると遺産を分ける必要がでてきます。
三つ目には、子供たちが、相続開始後、相続を放棄して、長男に土地を相続させる方法になります。
父の死亡により、相続が開始したことを知った時から3ヶ月以内に、放棄しようとする相続人が、家庭裁判所に申述します。
四つ目に、生前贈与する方法があります。
贈与税は高率ですが、農業を営む個人が推定相続人の一人に農地を全部贈与した場合には、申告書に必要書類を添付して申告し、担保を提供すれば、その贈与者の死亡の日まで納税が猶予される制度があります。
これには、
◇推定相続人が18歳以上
◇引き続き3年以上農業に従事する
◇以後も農業経営を行なうと認められること
という要件を満たす必要があります。
五つ目には、相続分不存在証明書という書類を使った簡便な手続があります。
この書類を書くのは、土地を所有する相続人以外の相続人に、本人が自署し、実印を押して、印鑑証明を受ける必要があります。
この証明書には、「私は被相続人から生前すでに財産の贈与を受けているので、被相続人の死亡により開始した相続については、相続する相続分がないことを証明する」という文言をかくことになります。
その証明書に実印が押され、印鑑証明が添付されていれば、誰も財産などもらっていなくても、相続を原因とする所有権移転登記を受け付けてくれます。
【寄与分】
<相談内容>
夫と長年農業を営んできましたが、先日夫が亡くなりました。
相続が始まったのですが、ずっと農業を守り、財産の蓄積や保全に特別に寄与したと思うのですが、相続分での配慮はないのですか?
<返答>
共同相続人の中の一部の者が、相続財産の維持または増加に、特別に寄与貢献した場合がある場合には、民法では、「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養監護その他の方法により被相続人の財産の維持または増加につき特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、相続人として受け取るべき相続分のほかに寄与分を加えた額をもって、その者の相続分とする」と、規定しています。
寄与分の額について協議が調わないときや協議ができないときには、家庭裁判所が、寄与した者の請求により一切の事情を考慮して定めることになっています。
【農地の単独相続】
<相談内容>
長男に農業を継がせたいのですが、長男に農地を全て相続させることはできますか?
<返答>
この場合には、他の相続人が相続を放棄するか、生前に被相続人が農地全部を贈与するか、もしくは農地を長男に相続させる旨の遺言をする方法があります。
相続の放棄については、被相続人の生存中にすることはできず、放棄するかどうかは各相続人の自由になり、強制することはできません。
相続放棄の手続は、被相続人の死後、相続放棄の申述書に相続放棄する旨を書いて家庭裁判所に提出することになります。
この手続は、自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内にしなければなりません。
遺言や贈与については、長男以外の相続人に、遺留分という法律上被相続人が遺産について自由に処分することができない権利を主張すると、それを分け与えなければならなくなります。
ただ、遺留分は、被相続人の生前に家庭裁判所の許可を得て、事前に放棄することができます。
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