内縁の妻の借家権の相続は?
【内縁の借家権の相続】
<相談内容>
内縁の夫が亡くなり、借家権が相続されて同居していない人に権利が移ってしまいました。
この場合には、出て行かなければならないのでしょうか?
<返答>
内縁は届出がないだけで実質的には婚姻関係にあるものと認められることから、一般的な夫婦関係は認められています。
また、借地借家法では、「居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻または縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦または養親子と同様の関係にあった同居者あるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。」としています。
ただし、これは相続人がいない場合で、相続人がいる場合には、相続人が借家権を相続することになります。
しかし、一定期間同居していた人が相続人の他にいる場合には、その人の居住権も認められなければ、同居人は困ってしまいます。
そこで、相続人本人がそこに住む必要があるような特段の事情がない限りは、相続人はこの同居人の居住を承認しなければならないとしています。
【配偶者の相続分】
<相談内容>
夫がなくなった場合に、妻はどれくらいの相続分があるのですか?
<返答>
民法では、配偶者を常に相続人として認める一方、配偶者と同順位の相続人として、第一に直系卑属、第二に直系尊属、第三に兄弟姉妹を予定しています。
配偶者のほかに、これらの相続人がいない場合には、配偶者一人で遺産全部を単独相続することになります。
そうでない限りは、順序に従って、先順位の者が配偶者と同順位で共同相続人となります。
この場合に、配偶者対他の相続人の組み合わせによって、配偶者自身の相続分が異なってきます。
◇配偶者と直系卑属
配偶者2分の1 直系卑属2分の1
◇配偶者と直系尊属
配偶者3分の2 直系尊属3分の1
◇配偶者と兄弟姉妹
配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1
となります。
【同時死亡の推定】
<相談内容>
夫と父が事故で亡くなりました。
このように同時刻に亡くなった場合の相続の手続はどうなるのですか?
<返答>
相続の場合には、死亡の時期の前後によって相続財産を取得する割合が異なってきます。
相続は、先に死亡した者について法定相続分によって相続されるため、死亡の事実がその時期の前後まではっきりしていれば問題も生じませんが、交通事故のように同時に死亡した場合には、厳密には時間的な前後があったとしても、もはや立証することができません。
民法は、「数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は同時に死亡したるものと推定する」規定して、同時死亡推定主義を採用しています。
被相続人と相続人が同時に死亡したと推定することは、被相続人が死亡した時にはその相続人もいないということになり、相続関係は発生しないことになります。
また、同時死亡推定の規定は、あくまでも推定である為、死亡の前後がはっきりしていることを立証すれば、当然原則に戻って手続をすることになります。
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