社長個人から債権回収したい

社長個人から債権回収したい

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社長個人から債権回収したい

【社長個人から回収】

<相談内容>

会社にお金を貸していたのですが、その会社が倒産してしまいました。

その会社の社長個人は、資産がありそうなのですが、社長個人から回収できますか?

<返答>

原則として、金銭消費貸借契約は、会社(法人)との契約であり、会社が倒産してしまっては、代表取締役ある個人に対しては、返済を求めることはできません。

ただ、法人格否認で社長の責任を追及することも考えられなくもありません。

法人格否認の法理とは、株式会社とか有限会社という法人は社会的に存在する団体の価値を認められて法人格を与えられているのに、会社即個人、個人即会社というような全くの個人企業の場合に、法人格を与えられたことを楯にとって、役員個人の責任を回避することを制限しようとする理論をいいます。

この法理を立証させるのは、容易なことではなく、むしろ特殊のケースにあたります。

できれば、取引の最初から社長個人の連帯保証をとるなど考慮する必要があります。



【代物弁済で回収】

<相談内容>

売掛金の回収ができないでいるのですが、相手の会社は、調べたところ不動産を所有しています。

そこから回収できないでしょうか?

<返答>

この場合には代物弁済契約により債権の保全をはかる、という方法があります。

代物弁済予約とは、金銭貸借の場合に用いられ、金銭による弁済に代え、他のものをもってするこの代物弁済があると、弁済と同一の効力を有する為に債権は消滅することになります。

そのため、売掛金の額より、価格が安い建物を代物弁済にとったからといって、後で建物を返して売掛代金債権を請求することはできません。

土地・建物などの不動産を代物弁済とする場合は、必ずその登記をしなければなりません。

登記をしないと第三者に対し、代物弁済の事実を対抗できません。

また、土地・建物については、代物弁済の約束をすると同時に、「代物弁済予約」による所有権移転請求権保全の仮登記を付けておけば、この仮登記により、仮登記から後で所有権を取得した者があっても、代物弁済仮登記を本登記にするときは、仮登記の時期に遡って効力をもつので、仮登記後の所有権取得者に対抗できます。

なお、債権確保のための代物弁済予約の場合は、仮登記担保契約に関する法律の規制を受けて、債権額よりも物件の方が価値が高い時には、超過分を担保提供者に、清算金として返還する義務があります。

【借金以上の代物弁済】

<相談内容>

金融会社から金銭貸借契約をし、そのとき所有不動産について代物弁済契約を結んだのですが、資金繰りに困っており、借りたお金より、価値の高い不動産をとられそうなのですが、どうすればよいですか?

<返答>

このような金融会社との契約を代物弁済予約契約といい、取引の実際上は、この代物弁済予約契約に基づき、土地の登記簿上に所有権移転仮登記さらには抵当権が設定されます。

従来では、代物弁済予約はお金を借りた人が期限までに返済できない時に、実際に貸したものの数倍もする物を取り上げてしまうというようなものでした。

しかし、「仮登記担保契約に関する法律」が制定され、次のように規制されています。

◇期限までに返済しない場合に金融会社は一定のの事項を債務者に通知します。

◇この通知が到達してから2ヶ月間は金融会社は土地の所有権を取得できません。

◇2ヶ月経ってもお金を返せないと、土地は金融会社のものにになりますが、債務者の債務と土地の価額を比較して、余りがあれば金融会社は債務者にそれを清算しなければなりません。

◇金融会社がこの清算金を支払うまでは土地の所有権移転登記をする必要はなく、またお金の支払いが出来るのであれば、金融会社に支払い、土地を受け戻すことができます。

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