夫婦の法律とは
【夫婦の法律】
<相談内容>
夫婦についての法律はどのように定められているのですか?
<返答>
夫婦間の規定については、婚姻の効力として民法に定められています。
◇夫婦の氏
夫婦は夫または妻の氏を名乗らなければなりません。
◇同居、協力、扶助の義務
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければなりません。
◇夫婦間の契約の取消権
夫婦間でした契約は、婚姻中はいつでも夫婦の一方から取消すことができます。
◇夫婦間の財産権
婚姻費用は夫婦が資産、収入、その他の一切の事情を考慮して、双方が分担する、また日常家事債務については夫婦の連帯責任としています。
また、婚姻前に得た財産、および婚姻中に自己の名で得た財産は、その人の特有財産であり、どちらの財産かわからない場合は共有とすることを定めています。
【行方不明の夫の財産の処分】
<相談内容>
夫が行方不明になり、生活に苦しんでいます。
夫が相続で取得した土地家屋を売って生活費に当てたいのですが、できるでしょうか?
<返答>
夫が相続で得た財産については夫の特有財産であって、妻だからといって自由に処分をすることはできません。
しかし、夫婦には、婚姻費用の分担義務、日常家事による債務の連帯責任があり、お互いに経済的に一心同体とならなければなりません。
ただ、不動産の処分という重要な取引行為の性質上、これによって売ることは無理と考えられます。
権利証、実印、印鑑証明書など不動産処分に必要な書類が揃っていれば、手続き上は売買できます。
しかし、これも後日夫が戻ってきた場合、妻の一方的行為を「追認」しない限り有効なものとはならないのです。
このような手続をするには、あらかじめ夫の親族の了承を得て処分し、後日夫が追認せざるを得ないように根回ししておく必要が出てきます。
法的には、家庭裁判所に、不在者の財産管理人の選任を申し立て、不在者の財産管理制度を利用することができます。
この制度は、不在者とその残留財産について利害関係を有する第三者の利益を保護する為の制度です。
【夫婦の同居義務】
<相談内容>
夫が愛人の家から帰ってこない場合には、どうすればいいのでしょうか?
<返答>
民法では、夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならないと規定しています。
任意で交渉できないのであれば、家庭裁判所に対して、夫婦関係調整の調停申立をして解決する方法があります。
判例でも、妻が愛人の元に走った逆の例ですが、「妻は夫の住居に戻り夫と同居せよ」と命じた決定もあります。
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