実の親がいた場合の戸籍の訂正は?

実の親がいた場合の戸籍の訂正は?

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実の親がいた場合の戸籍の訂正は?

【実親との戸籍訂正】

<相談内容>

戸籍上の母は、実の親ではなく、別に実の親がいた場合に、戸籍の訂正はできるのですか?

<返答>

自然の親子の関係は、戸籍の記載にかかわらず、血のつながりによります。

ですので、戸籍の訂正をすることになります。

戸籍の訂正については、家庭裁判所の許可が必要になります。

家庭裁判所に、戸籍上の母を相手方として親子関係がないことの確認を求める旨の調停を申し立てます。

調停では、本人と戸籍上の母、父親、本当の母などに来てもらって、事実を調べます。

相手方に格別の反対がない限り、裁判所は「合意に相当する審判」をしてくれます。

ただし、戸籍上の母の様に、最初から出生届を偽ってしまった場合、届出人は「公正証書原本不実記載罪」という刑法上の制裁を受けることがありえます。

【普通養子縁組の要件】

<相談内容>

普通養子縁組をしたいと思っているのですが、どのような要件があるのですか?

<返答>

普通養子縁組の要件については、

◇当事者間に縁組の意思があること

これに反してなされた養子縁組は無効です。

しかし、いったん戸籍簿に記載されてしまうと、これを訂正する為には届出無効の審判もしくは判決が必要になります。

◇養親となる者は成年者であること

ただし、20歳未満の未成年でも結婚すると成年者とみなされるので、20歳未満でも養子縁組できる場合はあります。

◇養子となる者は、養親の卑属であること、または養親より年少者であること(同年を含む)

◇配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者と共にしなければなりません。

ただし、配偶者の嫡出子を養子とする場合は共同縁組をしなくてもよいこととなっています。

◇15歳未満の子供が養子となる場合には、その法定代理人が、本人に代わって承諾を与えることが必要であり、15歳に達していれば、未成年者自身の判断で諾否の意思表示ができますが、そのいずれの場合であっても、未成年者を養子にするには、家庭裁判所の許可を得なければなりません。

自分または配偶者の子や孫を養子とする場合は、家庭裁判所の許可は必要ではありません。

となっています。

【特別養子縁組の要件】

<相談内容>

特別養子縁組の要件とは、どのようなものですか?

<返答>

特別養子縁組の要件とは、

◇養子となる者について、実父母による監護が著しく困難または不適当であること、その他特別な事情があり、子の利益のため特に必要があると認めるとき

◇縁組は家庭裁判所の審判によってのみ成立します。

◇養子となる者は原則として6歳未満であること、養親となる者は夫婦で、少なくとも一方が25歳に達していることを要します。(養子について6歳前から養親となる者に監護されているときは8歳未満でもよい)

◇離縁は、養子の利益のためとくに必要があると認められるとき、家庭裁判所の審判によってのみできます。

養子が成人しても協議離縁はできませんし、審判による離縁も養親からは申し立てられません。

となっています。

【特別養子への変更】

<相談内容>

普通養子を特別養子に変更することはできますか?

<返答>

普通養子を特別養子にすることは可能です。

判例では、棄児を普通養子として引き取り、その子を特別養子にした場合には、その子の実父母は、氏名・所在共に不明であり、乳児院で監護され、特別養子制度が目的とする、子の為の養子にふさわしいとして認めています。

しかし、実父母がいる場合には、実父母の監護が、著しく困難または不適当であること、その他特別の事情がなければならないとされています。

貧困や病苦の為、子の適切な監護をほとんど期待できないとか、子への愛情に欠け、虐待、放置するなど監護方法の適切さを著しく欠くような場合に、特別養子縁組が認められます。



【養子離縁するには】

<相談内容>

養子縁組をした養親子間を、離縁する為には、どのようにすればよいのですか?

<返答>

離縁の手続は養親と養子との間の養子関係を解消することをいいます。

普通養子縁組の場合には、当事者の合意による「協議離縁」と、家庭裁判所による「調停離縁」「審判離縁」と、通常裁判所の「判決離縁」があります。

合意で離縁ができなければ、裁判所にゆだねることになります。

裁判離縁の原因として

◇他の一方から悪意で遺棄されたとき

◇他の一方の生死が3年以上明らかでないとき

◇その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき

となっています。

「その他縁組を継続し難い重大な事由」とは、養親子としての精神的・経済的な生活共同体の維持もしくはその回復が著しく困難な程度に破綻したと見られる事由がある場合で、暴行、虐待、侮辱とか、養親の財産を減少させたり、家業を不当に顧みない、等の事例があります。

【離婚した養親と養子】

<相談内容>

養父母が養父の不倫のため、離婚をしました。

養父と離縁し、養母と同じ籍に入りたいのですがどうすればよいですか?

<返答>

養母は、離婚をすると結婚する以前の戸籍に復籍します。

しかし、そのような場合でも、養子との養子縁組を解消しない限り、養母養子の法律関係は、戸籍上で証明することができます。

戸籍について、法的には、養父と離縁すれば、養父の戸籍から養母の戸籍に入るのではなく、縁組前の実家の性に復して、その戸籍に入ることになるのです。

民法の「養子は養親の氏を称する」という規定と「養子は、離縁によって縁組前の氏に復する」という規定からきています。

しかし、養母との養子関係はそのままですから、養母の姓を称し、養母の籍に入れば良いわけです。

これには、氏変更の許可を家庭裁判所に求めることが必要になります。

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