| 相続財産の管理方法とは
 
 【相続財産の管理】
 
 <相談内容>
 
 父が亡くなったのですが、まだ相続財産を分割していません。
 
 このような場合には、誰が相続財産の管理をするのですか?
 
 <返答>
 
 実際には、被相続人と同居していた相続人が保管したり、財産を一番良い方法で管理することになりますが、それは自分個人のために保管するのではなく、他の共同相続人のためにも保管していることになる結果、他の共同相続人の同意なしに勝手に財産を処分することはできません。
 
 民法では、「相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない」とされています。
 
 また、「家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求により、いつでも相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる」としており、「家庭裁判所が遺産管理人を選任することもできる」と規定しています。
 
 【相続順位と分け方】
 
 <相談内容>
 
 父が亡くなったのですが、相続財産の相続順位はどうなっていますか?
 
 <返答>
 
 財産を相続する場合には、一定の順位があります。
 
 被相続人の配偶者は常に相続人になります。
 
 被相続人の子は第一順位の相続人となり、子がいない場合には、第二順位として直系尊属が相続人となり、それもいない時には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
 
 ◇子と配偶者の場合はそれぞれ2分の1ずつ
 
 ◇配偶者と直系尊属の場合は配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1
 
 ◇配偶者と兄弟姉妹の場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1
 
 子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いた時には、各自の相続分は平等になりますが、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1になります。
 
 父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分も、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となるように規定されています。
 
 代襲相続とは、被相続人の子が相続の開始前に死亡した時、または相続人の欠格自由に該当し、もしくは廃除によって相続権を失った場合に、その者の子が代襲して相続人になることをいいます。
 
 代襲できる者は、被相続人の直系卑属になります。
 
 
 
 【遺産分割の方法】
 
 <相談内容>
 
 父が亡くなったのですが、遺産の分割はどのようにすればよいのですか?
 
 <返答>
 
 共同相続人は、いつでも共同相続人全員の協議で遺産分割をすることができます。
 
 これを協議分割といいます。
 
 ただし、被相続人が遺言で、一定の期間(5年以内)は、分割をしてはならないと禁じた場合は、この期間は分割できませんが、そのような遺言がなければ、いつでも分割の協議ができます。
 
 この分割協議の成立には、共同相続人の全員の参加と合意を必要とし、一部の共同相続人を除外したり、またはその意思を無視したりしてなした分割協議は無効となります。
 
 この協議分割の場合は、その配分方法や相続の割合などについては自由で、必ずしも法定相続分のとおりでなくてもよいとされています。
 
 遺産分割について、共同相続人間にどうしても協議が調わない時とか、協議をすることができないときは、各共同相続人は、一人でも、共同でも、その分割を家庭裁判所に請求することができます。
 
 【遺留分減殺請求の価額弁償】
 
 <相談内容>
 
 父の遺言で、兄が父の土地の全てを相続することになりました。
 
 遺産は土地しかないので、遺留分減殺請求をしたのですが、土地の価額弁償の評価時はいつになるのですか?
 
 <返答>
 
 兄は、土地では返せないので、土地の変わりに現金で支払うことを申し出、弟も現金でもらうことに同意をしたとします。
 
 これは、遺留分の減殺請求を受けた場合は、もらったもので返すのが原則であるが、例外的にもらったものの価額で弁償することが認められ、受遺者に選択の自由があります。
 
 価額弁償は目的物を返すことに代わるものとして、目的物と等価でなければなりません。
 
 そこで、価額弁償における目的物の評価の時点は、相続が開始したときではなく、現実に弁償がなされるときになるとされています。
 
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